子供の絵が、みな同じになってきたという記事を見ました。
自分が小学生の頃を思い出したのですが、教え方にも1つの原因があるのかもしれないと思います。
小学生時代、動物園で、私が
「白いウサギを描きたい。」
と、言ったとき、ある先生は、
「ウサギなんてやめなさい。くじゃくにしなさい。」
と、言ったのです。
確かに、薄いクリーム色の画用紙にウサギを描くと、目立たなくて難しいのかもしれないけど、ウサギがかわいくて描きたい気持ちが大事なのであって、みんなカラフルなくじゃくを描いてしまったら、個性も何もあったものではありません。
これは、
「こういう風に描けば、点数がいい。」
と、まるでテストのように答えを教えてしまうようなもの。
答えがいろいろあっていいのが、美術だと思うのです。
美術に限らず、例えば料理の世界でも・・・
料理研究家の平野レミさんが、子供達に料理を教えていたのですが、味噌をたくさん入れすぎた子供の料理を味見して
「あら~、辛くなっちゃったね。でもいのよ。味噌は辛いってことがわかったから。」
と、言ったのです。
それを見て、こんな教え方っていいな~と思いました。
大いに失敗させて、次からは、失敗しないように工夫させるという教え方。
「味噌は、何グラム入れてね。」
と、教えるより。
せっかく作った料理が辛くてまずかった。
この記憶が、
「味噌を入れるときは、少しずつ味見しながら入れよう。」
となって、料理がうまくなると思います。
逆に「味噌は、何グラム入れる」と、教えられたら、次回きっと何グラムか忘れていると思います。
子供に「転ばぬ先の杖」は、あまり必要ないのかもしれません。
危険がないところでは、どんどん失敗を体験させてあげるのが、成功への近道になるのではないかと思います。
話は、ウサギの絵の話に戻りますが、もし、今、自分がその先生の立場なら、どうするかなと考えてみました。
大学の頃、デッサンの授業で、黒い画用紙が配られたことがあります。
白い画用紙ではなく黒い画用紙に描くなんて初めてで、とてもワクワクしたことを思い出しました。
黒い画用紙に白いダーマトグラフ(色鉛筆)で描くのです。
なんで、白い画用紙に今まで描いてたんだろう?
固定概念を覆されました。
「白いウサギを描きたい。」
と、子供が言ったら・・・、
まず1度描かせてみる。
↓
やたら、カラフルなウサギを描いて、ビックリ!素敵!
ということもありますよね。
カラフルでなくても、白いウサギをリアルに描けちゃう子供だっているだろうし。
しかし、白いウサギを描こうとするが、思い通りに描けなかった。
そんな顔をしていたら・・・
↓
「黒い画用紙もあるわよ。」
と、言ってみるのはどうでしょうか?
黒でなくても、濃い色の画用紙、ピンクとか、濃い水色の画用紙はどうでしょうか?
この時、
「○○色の画用紙で描きなさい。」
と、言ってしまうのは、また子供の想像力をストップさせてしまいますよね。
いろんな色の画用紙を出して、選ばせるのがいいかもしれません。
手取り足取り教えるのではなく、ちょっとお手伝い程度に教えるのがいいのではないかと思います。
黒い画用紙に描けば、物思いにふけるウサギに、
ピンク色の画用紙を選べば、白い水彩絵の具からピンク色が透けて、かわいい感じに、
濃い水色の画用紙だったら、雲を描いて、ウサギとその風景の絵になるかもしれませんね。
今、自分の子供(1才半)には、友人からいただいた、ベビーコロールというクレヨンを与えています。
硬いクレヨンなので、かんでもなかなかくずれないので、重宝してます。
グルグル、何の形でもない線を描くだけで、なめたりかじったりする回数の方が多いですが。
このクレヨンは、積み木のように重ねられるので、重ねて楽しんだり、笛のように吹いて遊んでいる時もあります。
これから先、子供がどんな絵を描いてくれるか楽しみです。
私がどういう風に教えるのか、どんなプチ先生になるか、それも面白い。
パパが、私とは違った意見を言ってくれるのもいいですね。
絵の描き方に限らず、子供が成長して、実際にいろいろと教えてみたら、今、書いたことがまるっきり机上の空論だということになるかもしれないけれど、またそれも、面白いかもしれません。